2018年12月24日
『松ぼっくり』
- 今日の道草
『松ぼっくり』
「松ぼっくりがあったとさ〜」
で始まる童謡『まつぼっくり』は
「おさるが拾って食べたとさ〜」
で終わる。
はたして本当におさるは松ぼっくりを食べるのだろうか?と思い調べてみると
『猿は松ぼっくりは食べないが、松ぼっくりの中にある松の実は食べる事もある』
と書かれていた。
松の実とは松のタネで、かさの奥にそっと隠れている。
松ぼっくりは雨に濡れるとかさを閉じ、乾燥するとかさを広げる。
かさの奥にある羽のついたタネは、かさが開くと風に乗って飛んでいく。
そして、全てのタネを飛ばした松ぼっくりは 木から落ちてしまうそうだ。
雨の日にはかさの奥で大切にタネを守り、晴れた日にはかさを広げて旅立ちの風がくるのを待つ。
風はくれども旅立てなかったタネを、再び雨が降るとかさを閉じて守り、そのタネが飛び立つ日をかさを閉じたり広げたりしながらじっと待つ。
そして全てを旅立たせ、役目を終えた松ぼっくりは 枝から離れ落ち、やがて朽ち土に還る。
太古の昔から今日まで脈々と受け継がれてきた松ぼっくりの生きる様は、あるべき親の姿をそっと教えてくれているようだ。