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2018年12月24日

『松ぼっくり』

  1. 今日の道草

 

『松ぼっくり』

 

 

「松ぼっくりがあったとさ〜」

で始まる童謡『まつぼっくり』は

「おさるが拾って食べたとさ〜」

で終わる。

はたして本当におさるは松ぼっくりを食べるのだろうか?と思い調べてみると

『猿は松ぼっくりは食べないが、松ぼっくりの中にある松の実は食べる事もある』

と書かれていた。

松の実とは松のタネで、かさの奥にそっと隠れている。

松ぼっくりは雨に濡れるとかさを閉じ、乾燥するとかさを広げる。

かさの奥にある羽のついたタネは、かさが開くと風に乗って飛んでいく。

そして、全てのタネを飛ばした松ぼっくりは 木から落ちてしまうそうだ。

雨の日にはかさの奥で大切にタネを守り、晴れた日にはかさを広げて旅立ちの風がくるのを待つ。

風はくれども旅立てなかったタネを、再び雨が降るとかさを閉じて守り、そのタネが飛び立つ日をかさを閉じたり広げたりしながらじっと待つ。

そして全てを旅立たせ、役目を終えた松ぼっくりは  枝から離れ落ち、やがて朽ち土に還る。

太古の昔から今日まで脈々と受け継がれてきた松ぼっくりの生きる様は、あるべき親の姿をそっと教えてくれているようだ。

 

2018年12月17日

『フユイチゴ』

今日の道草

『フユイチゴ』

道草してる時に出会って心ときめく3大WGの1つ

(Wayside Grassの略)『フユイチゴ』

(ちなみに残りの2つは あけびとイワナシです)

つやつやとしたこの赤い実を見つけるといまだに

ワクワクしてしまう。

私が小学生の頃は、登校は集団登校だけど下校は

自由下校だったので、友達とよく道草をしていた。

小学校の近くにあった、久美浜有線放送に寄り道

しては『サンデーリクエスト』で流してほしい曲

をリクエストしに行って、お茶をご馳走になって

から帰ったり。

道草しているのを見つかったって

「道草しとらんと、気ぃつけてはよ帰んにゃあよ」

と言われるくらいの大らかな時代。

畑仕事をされているおじいちゃん、おばあちゃんが

そっと見守ってくれていた時代。

この『フユイチゴ』は通学路から少し離れた竹藪に

群生していて、この時期になるとワクワクしながら

そこへ行き、ランドセルを背負ったまましゃがみ

こみ、一粒ずつつぶさないようそっと採って

左の手の平に集め、こんもりと山になったら

一息に口に放り込む。

酸っぱさのほうが先にくるけど甘くておいしくて

何度もそれを繰り返していた。

道草をくうとはまさにこの事。

フユイチゴ以外にも、いろんな道草を食べながら

(ぐみ、桑の実、こんめ、なつめ、ぼたんきょう

だんじんば、つんばな等々)

下校していたあの頃は、今に比べて安全で大らかで

自然も今よりずっと豊かだった。

道草で学ぶこともたくさんあるのに

今の子どもたちはそれをしたくてもできなくて

なんだかとてもかわいそうだ。

2018年12月10日

『ハゼノキ』

今日の道草

 

『ハゼノキ』

 

 

初雪がふり、山が薄化粧をしました。冬到来です。

紅葉していた木々も葉を落とし、山の彩りがなくなるこの季節でさえ、なおも赤い葉っぱをつけて目立っているのはウルシ科の木々たち。

この写真は山裾に生えていた『ハゼノキ』の苗木。

紅葉が美しいので盆栽に使われる事もありますが、子どもの頃からこの赤い葉っぱをみると身構えてしまうのは

小学生の時、お盆前に墓掃除の手伝いをしていたら首にぶつぶつができ、あせもだと思い親に言うと

「あせもなら海に浸かったら治る」

と墓掃除の手伝いのご褒美もかねて海水浴へ連れて行ってくれたのだけど

治ると思っていたあせもは実はかぶれで、海水に浸かった事でかぶれの症状が悪化し、顔がパンパンに腫れあがり目もうっすらとしか開かなくなってしまった。

運悪く、久美浜っ子にとっては1年で1番のお楽しみと言っても過言ではない『千日会』がせまっており、なんとか腫れがひかないものかと、日夜タオルを氷水にひたし顔を冷やすものの腫れは全くひかず

「こんなパンパンの顔で千日さんに行けない」

と泣く泣くあきらめ、遠くで鳴る千日会の花火の音を一人ベッドで聞きながら、涙していたあの日を思い出すから。

『ハゼノキ』は触れただけではあまりかぶれない

(樹液がつくとかぶれる)と調べたら書いてあったけれど

『君子危うきに近寄らず』

とも言うのでそっと写真を撮るだけにしておきました。

 

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